Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-4] 健診事業所の放射線部門におけるオーダー連携の構築とレポーティングシステム導入

髙木 祐弥, 渡邊 光昭 (公益財団法人結核予防会 総合健診推進センター)

背景当センターではオーダーリングシステム・RISが未導入であり、胸部レントゲン検査の際、撮影メニューをコンソール画面にて選択してから撮影している。その為、撮影メニューの間違いや、撮影人数がこなせないことによる患者待ち時間が問題となっている。また、レントゲン画像を読影した後の結果入力は、医師が記入した所見用紙から手入力にて健診システムに入力しているが、入力ミスや入力者の残業時間が問題となっている。目的胸部レントゲン撮影のオーダー連携を行う。レポーティングシステムを導入し、結果入力を電子情報のやり取りに変換する。方法DICOMタグ(0008-0050)に各システム間で一貫したキー情報となるオーダー番号を付与した。タブレット端末を撮影装置に接続し、MWMサーバより撮影装置が患者属性情報を取得する際に、オーダー番号によって設定した撮影メニューが立ち上がるようにした。DICOMタグ (0008-1030)に検査項目群を生成し、読影の際はレポーティングシステムにて、検査日と検査項目群で表示画像を絞り込むことで読影の進捗を管理した。読影後はCSV形式で健診システムへ送信した。結果本システムを構築したことで、オーダー連携を可能にし、胸部レントゲン検査時の撮影メニューの間違いを無くし、患者1人当たりの撮影時間が2~3秒短縮できた。また、読影結果を電子的にやり取りに変換した事で読影結果の手入力がなくなり、入力ミス・業務効率を改善できた。考察胸部レントゲン撮影のオーダー連携については、オーダーエントリシステム未導入の施設において、十分に検討できる方法であると考えられる。しかし、撮影オーダーの種類が多い医療機関では、検査オーダーのマスタが多岐にわたるため、十分注意してオーダー番号を設定しなければならない。また、健診機関におけるレポーティングシステム導入の際は、読影の進捗管理が出来る様に検査項目群を設定しなければならないと考えられる。