Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-6] MRIにおけるSWI撮像により得られた画像を利用したQSMの臨床的有用性に関する検討

若山 季樹1,2, 井田 正博1, 小野寺 聡之1, 妹尾 淳史2, 田部井 照美1 (1.公益財団法人東京都保健医療公社 荏原病院 放射線科, 2.首都大学東京大学院 人間健康科学研究科 放射線科学域)

【目的】定量的磁化率マッピング(quantitative susceptibility mapping :QSM)は、組織が持つ磁化率を定量評価できるようにマッピングする手法であり、MRIのmagnitude画像と位相画像を用いて、無次元のパラメータである磁化率を算出する手法である。磁化率は位相画像より算出する。しかしmagic angleに相当する部分の磁化率は計算によって算出できないため、近似的に求める必要がある。本研究ではUC BERKELEYのChunlei LiuらのSTAR-QSM法を用いた。本研究の目的は、正常例ならびに疾患例のSWI撮像で得られた画像からQSMを作成し、その有用性を検討することである。【使用装置】MAGNETOM Prisma fitおよびSkyra (ともに3.0T、シーメンス社製)を用いた。【方法】SWIを撮像し得られたmagnitude画像およびphase画像から解析を行った。撮像にはSWI用3D GREシーケンス(TR/TE=28/20ms,FA=15deg,matrix=320*260,slice thickness=2.0mm)を用いた。画像解析には、UC BERKELEYのChunlei Liuらの開発したSTIsuiteを用いた。撮像及び解析対象は、正常例29例、多発性硬化症5例、脳血管障害:5例である。【結果】SWI撮像によって得られた画像から作成したQSM画像は正常な脳内構造による磁化率ならびに疾患によると考えられる磁化率変化を反映しており有用性があると考えられた。 本研究により、SWI撮像で得られる画像のなかでも臨床において積極的には用いられていないmagnitude画像およびphase画像からQSMを得られる可能性が示唆された。