[2-I-2-2] 社会医学系医療情報学専門医と上級医療情報技師との立ち位置の違い
日本医療情報学会関連の資格には、社会医学系専門医と医療情報技師がある。平成29年に技師部会では、「上級医療情報技師の一般目標及び行動目標群(GIO.SBOs)Ver.1.1をWeb上にアップしている。7つのGIOが提示されているが、施設管理者層からの要求を引き出して(GIO1)、チーム内、チーム間のマネジメントができる能力(GIO2)などからは現場中心のリーダ的人材であることが分かる。 一方、専門医にも、彼らに求められている能力と重複して求められる能力もあると考えられる。しかしながら、専門医はアカデミアであり、日常の業務も当然のこと、研究・教育活動が求められる。すなわち、専門医は上級医療情報技師と手を携えながら、各病院において病院長を補佐しつつも、あるいは自ら病院長として、HISの発展のための研究、教育に力点をおくべきと考えられる。他の臨床系専門医制度が二階層構造をとると同様に公衆衛生、病院管理、集団災害医学等の一階層目を習得した上で二階層目の医療情報学のアカデミアとして発展することが要求される。熱心な議論を行い立ち位置を深化させたい。