Japan Association for Medical Informatics

[2-I-3-6] バイオバンク在庫情報に連動した研究者向け匿名化済み臨床情報検索システム

渡辺 浩 (国立長寿医療研究センター)

長寿医療研究センターは NCBNナショナルセンター・バイオバンクネットワークの一施設として運用を進めてきた。バイオバンク管理システムは各施設で開発を求められてきており、当施設の開発状況もこれまで何回か本学会で紹介を行ってきた。先の学会では標準化ストレージを匿名化して研究者に提供することにより有益な臨床情報検索ができることを報告した。標準化ストレージを検索、絞り込み、リスト化をさせる仕組みとしては、NTTデータ東海社製「臨床情報検索システムD☆D」を導入しているのだが、本システムは汎用的なデータを取り込ませ検索、結果出力に反映させることができる機能を持っている。当施設でもすでに「患者手術情報」「一部の患者プロフィール情報」はD☆Dに取り込ませて展開している。今回、バイオバンクで保存されている患者の検体在庫情報(検体種別、在庫量、取り寄せ番号)を「匿名化研究者向けD☆D」に取り込ませる仕組みを構築した。導入したばかりでまだ成果レベルまでには至っていないが、これまで研究者からの分譲依頼の際、患者IDで問い合わせがあったり臨床情報の絞り込みを求められたりしていたが、今後は研究者レベルでリスト化まで行ってから、事務局へ申し込みという効率的な運用ができる見込みである。