Japan Association for Medical Informatics

[2-J-3-1] 血液浄化システムの導入について

菅原 綾子1, 中山 雅晴2, 末永 洋子1, 佐藤 佳奈子1 (1.東北大学病院医療情報室, 2.東北大学病院メディカルITセンター)

背景:当院の血液浄化部では血液透析や持続血液透析濾過法の他に、血漿交換療法や腹水濾過濃縮再静注法など幅広く実施しており、その指示は紙運用中心であった。今回、課題となっていた電子化に向けて、当センターと部門とで協力しながら導入したので、その過程を示す。概要:使用している電子カルテは富士通社EG-MAIN-GXv1であり、もともとのパッケージに現場の希望を組み入れたカスタマイズを行った。透析における指示の流れは、各科医師からの透析の申し込み、血液浄化療法部での予約調整、実際の治療となっている。まず、申込みでは、現場にとって感染症の情報が大変重要であるが、パッケージではプロファイル画面でひとつひとつ確認するという手間が必要であったため、申し込みにおける入力項目として該当箇所を追加した。さらに、透析原疾患はリストから選択する方法であったが、入院目的である本来の主病名を選択できるように変更された。次に、血液浄化部における予約調整画面では、透析担当医師による指示入力の際、必ず入力しなければいけない箇所(抗凝固剤や透析液など)と必要に応じて入力する箇所(予約日時など)とが混在していたため、現場医師の発案により必須箇所は目立たせることにより入力時間の短縮を図った。また、プライミングには複数の薬剤が定型的に用いられるが、パッケージでは薬を一つずつオーダする仕組みであった。そこでプライミングごとに定型化された薬剤をセット化し、ワンクリックのオーダを実現した。実際の治療における、受付および実施画面はほぼ同じような内容であったため判別しづらかった。そのため実施画面のボタンは、差異がわかるように赤く目立たせるなど工夫をした。結論:透析における申込みから治療までの流れは紙運用であったが、今回部門とともにカスタマイズを行い、ついに電子カルテに一元化された。