[2-J-4-1] 入院時支援加算の算定に向けた病院情報システム活用による効率的な運用の検討
【はじめに】 平成30年度診療報酬改定では、入院前からの患者支援を推進する入院時支援加算が新設された。この条件には入院時業務や各種スクリーニングの外来シフトをはじめ持参薬確認の外来実施等病院情報システム(以下HIS)の改修や運用変更を必要とする。今回、本加算算定に向けHISを有効活用した運用を検討し開始したので報告する。【方法】長崎大学病院のHISはNEC社製MegaOak HR。本院は2009年より入退院センター(以下MSC)を設置し、入院説明の標準化・一元化と退院支援危険因子や栄養状態等のスクリーニングおよび患者基本情報問診と入力の外来実施および入院時の持参薬確認とHIS入力を行ってきた。このため多職種関係者にて算定要件を検討しMSCでの運用を変更しHIS機能を最大限に利用した書類準備と運用を検討した。【結果】入院時支援加算の要件は外来時点で入院中の治療内容や療養計画説明に加え、患者基本情報の入力、褥瘡危険因子と栄養状態の評価、持参薬の確認、入力、入院中の治療や検査および入院生活の説明、退院困難要因の評価が必要である。このためMSCで実施していた外来時点での患基本情報入力、栄養状態および退院支援危険因子に加え、褥瘡評価を加えた統一のスクリーニングシートを電子文書として作成した。また、持参薬確認は入院前の別日に予約対応とし、来院患者の集中他医悪として入院説明も別日の予約対応とした。一方、医師による入院中のイベント説明の有無、看護師等への伝達事項、MSWや栄養士等多職種関与の依頼および実績記録のため入院依頼シートを紙媒体で用意した。【結果と考察】平均入院日数が年々短縮し、入退院数が激増する中、入院時業務負担が増えているが、本取組みはその負担を軽減でき、持参薬の対応は、抗血小板薬等の術前休薬の確実性が増す。加えて、HISによる電子文書化と予約化は、さらに効率的で有効な運用が可能である。