Japan Association for Medical Informatics

[2-K-1-2] 放射線部門システムによる「核医学診断、CT撮影及びMRI撮影の検査前の画像診断管理システム」の構築について

上村 忠久, 中牟田 隆司, 上野 登喜生 (福岡大学病院 放射線部)

画像診断検査の中でも,核医学診断,CT撮影,MRI撮影は,正確な診断結果を得るための非常に重要なツールである.読影を行う画像診断専門医の役割は読影以外にも,画像管理,被ばく管理などその重要性は,ますます高まってきている.また,これらの検査から質の高い診断結果を得るためには,画像診断専門医が検査前に検査目的や患者状態を把握し適切な撮影プロトコルを選択し,検査の質を向上させることが重要である.また患者の過去のアレルギー歴や体内金属などを検査前に知ることで重大な事故を防止できるなど医療安全面上非常に重要である.当院では1997年よりRISシステムを導入し,2003年,2009年,2016年と更新を行ってきた.電子カルテの本格的な導入を行った2009年から,当院オリジナルでRISでの放射線科医によるCT,MR等の検査前チェックシステムを構築した.以前は,検査ごとに放射線科医が印刷した検査依頼書に手書きで実施する検査プロトコル指示等を記載してきたが,RISシステム上で事前に指示入力ができるようにした.このシステムでは,放射線科医の負担をできるだけ軽くするため,検査種,検査部位,検査項目毎にマスターを絞り込みプロトコルのセットを集約し,簡便に複雑な検査プロトコルを入力できるように工夫した.また,同一画面で過去検査の指示内容やPACS,レポートのリンクなどを配置した.検査依頼に対して放射線科画像診断専門医がその適応を判断し,画像診断検査の適切な撮像プロトコルについて,臨床情報,被ばく管理情報,臨床検査データ値等を総合的に考慮し,事前に確認し決定すること,および安全に検査を行うことを目的に「検査前の画像診断管理システム」を構築したので報告する.