Japan Association for Medical Informatics

[3-A-1-1] 多職種連携のための記録に利用される用語のあり方

前田 直美 (一般社団法人医療情報システム開発センター)

 地域包括ケアシステムの構築に伴い、これまで医療機関内で積極的に取り組まれてきたチーム医療は、病院外の多職種も含んだ多様な職種が連携する"多職種連携"が求められています。その中で看護師には、地域の保健・医療・福祉に関わる多職種と連携し協働していく要となる役割が求められています。
 日本看護協会から公開された「看護記録に関する指針」では、看護職が看護を必要とする人の情報を網羅的収集することから、他職種にとっても看護記録の有用性は高いと述べられています。加えて、看護記録は、保健医療福祉サービスの提供に係る専門職・非専門職や看護を必要とする人が理解できるように記載すること、使用する用語や略語は、国による保健医療分野の標準規格等に掲載の略語、用語辞典等を参考にするよう述べられています。
 医療情報システム開発センターは、厚生労働省の委託を受け、看護実践用語標準マスター(以下、標準マスター)の開発及び維持管理を行っています。標準マスターは、看護実践現場で実際に使用されている用語を収集、整理した用語集であり「看護行為編」と「看護観察編」で構成されています。看護行為編は、看護計画の具体的なケア(看護行為)を示す基本的な用語であり、在宅領域でも利用できる用語も収載しております。標準マスターは、平成28年3月に保健医療情報分野の標準規格:HS024として認められています。
 本セッションでは、標準マスターの概要について説明し、多職種連携のための記録に利用される用語のあり方について、皆さんと一緒に考えたいと思います。