Japan Association for Medical Informatics

[3-C-1-1] 看護実践のデータ化

仙波 晴美1, 松村 泰志2 (1.鈴鹿医療科学大学医療科学研究科医療科学専攻 医療情報実践学分野, 2.大阪大学大学院医学系研究科医学専攻 情報統合医学講座  医療情報学)

背景と目的看護の記録は叙述的に記載されることが多く、データ分析を難しくしており、看護の質の評価がしづらいことが問題となっている。当院の旧看護支援システムでは、看護実践にコードはふられていたが、言葉の書き換えが可能であったため、正しいデータ収集にならない問題があった。また、看護実践が、看護診断、看護計画と連携しておらず、看護過程がわかりにくい構造となっていた。この度、電子カルテシステムの更新の機会に、これらの問題を解決させた看護支援システムを構築したので報告する。方法新看護支援システムでは、下記の事項を考慮して構築した。1看護用語としてMEDISの標準用語マスターを使用する。2アセスメントから仮診断を選択できるものとする。3看護計画で選択した看護実践をそのまま患者スケジュールに反映できるものとする。4行なわれた看護実践は、重症度、医療・看護必要度に反映できるものとする。5計画した看護実践が行われなかった時には、その理由を記載できるものとする。結果MEDISの標準用語マスターを使用し言葉の書き換えを廃止したことで、看護実践のデータ収集が容易であった。行った看護実践は、重症度、医療・看護必要度B項目に反映できるものとしたことで、行った看護実践を記録として確認し判定できた。考察旧システムと比較し、新システムは、看護実践のデータ収集が容易であった。また、行なわれた看護実践がきちんと記録されていた。MEDISの標準用語マスターを使用することで、部署間での看護実践用語の齟齬がなくなり、データ収集が容易となり、看護の質の分析が可能となった。看護実践の未実施を入力する際は、その理由を入力する仕組みとしたことで、その内容の分析によっても看護の質が評価できると考える。