Japan Association for Medical Informatics

[3-C-2-3] 個人自らが健康情報を管理するパーソナルヘルスレコードに対する市民意識調査

武田 理宏, 真鍋 史朗, 松村 泰志 (大阪大学大学院医学系研究科医療情報学)

背景:日本では、妊婦、乳幼児、学校、企業、高齢者、の各種健診、予防接種、医療機関、福祉サービスの受診に際し、健康情報が作成される。これらの情報を生涯、一括して管理するためには、個人がパーソナルヘルスレコード(PHR)サービスと契約を行い、データを蓄積することが効率的である。このような形態のPHRサービスは個人自らが対価を支払う必要があり、実現にはPHRに対する市民の意識調査が必要となる。目的:個人自らが健康情報を管理するPHRに対する市民意識調査を行うこと。方法:市民意識調査は三菱総合研究所の生活者市場予測システムを利用した。アンケート対象者は10歳刻みで20代-60代の男女をそれぞれ250名(合計2500名)とした。結果:アンケート対象者の約30%は自らを不健康と感じ、約80%は健康への関心を示した。関心の対象は風邪など良く罹患する病気、生活習慣病、悪性腫瘍が高かった。利活用を希望する情報として、日常的に測定される歩数や体重、食事やカロリー、健診結果、医療機関の検査結果・投薬内容・治療内容、アレルギー・副作用情報、医療費が高かった。PHRの利用の意思は約50%が示し、管理できる情報の種類によって大きな差は認めなかった。PHRに自身の健康情報を入力する意思は約45%が示した。PHRに対し約25%が対価を支払う意思を示し、その多くは200円/月、500円/月程度であった。PHRの運営主体として好ましいのは、行政機関、研究機関、医療機関が高かった。情報漏洩は約70%が不安を感じると回答した。匿名化データの医学研究への利用については約80%が前向きな回答を行った。データ利用主体として好ましいのは、行政機関、研究機関、医療機関であった。結論:個人自らが健康情報を管理するPHRサービスには一定のニーズがあった。情報の種類に関わらずそのニーズがあり、標準化が進む項目からのデータ蓄積を開始する意義があると考えられた。