Japan Association for Medical Informatics

[3-C-2-4] 検査データについて病院・検査センターと患者とを結ぶ試み

西村 邦裕1,2, 洪 友理1, 佐藤 純子1, 浅野 光一4, 洪 繁2,3 (1.メディカルデータカード株式会社, 2.慶應義塾大学メディカルAIセンター, 3.慶應義塾大学医学部坂口光洋記念講座, 4.名古屋医師協同組合 名古屋臨床検査センター)

背景病院やクリニックを受診し、血液検査や尿検査、超音波エコーなどの検査を受けた際に、検査を受けた患者は主に紙で検査結果を受け取ることが一般的である。一方、平成29年の情報通信白書によれば、スマートフォンの世帯普及率は71.8%、パソコンは73.0%と同レベルで普及している。そこで本研究では、病院やクリニックから検査結果を等を患者に主に紙で渡している仕組みをデジタルで置き換える、つまり患者側はスマートフォンで受け取ることができる仕組みを開発する。方法検査データを患者にデジタルで渡すためには、検査データを持っているシステムAと、患者に伝えるシステムBを接続する必要がある。そのため、次の3段階に分けることができる。 1) Aにデータを出力する部分、2) AからBに接続する部分、3) Bでデータを渡す部分、である。1のデータを出力する部分においては、データを渡す事ができる該当患者のみの絞り込み、患者の診察券番号を用いて名寄せすることとして、必要なデータのみを出力を行う。2の通信の部分は、セキュアにするためにVPNの接続を基本とし、データ元から渡す患者向けの一方向をベースとしてセキュリティの設定を行う。3のデータを渡す部分においては、患者の診察券情報とマッチングし、検査データを患者に渡す事ができる仕組みとする。結果技術上の仕組みは上記の方法で可能であるものの、ヒアリングなどの結果、患者のデータ受取の依頼、医師の確認と処理、患者の受取の同意、患者へのデータの受取、と、同意の取得、医師の処理の上、データがわたる仕組みとすることが必須であることがわかった。同意をシステム上に実装することで実現させ、その結果、検査データを医師の確認のもと、デジタルで渡す事が可能となった。結語検査データを患者にデジタルで渡すプロトタイプを実装し、現場に持ち込むことができた。COI開示JST未来社会創造事業「セルフデータ収集によるヘルス・セントリック社会の創出」の研究資金提供を受けた。