Japan Association for Medical Informatics

[3-D-1-6] 病棟業務システム、ユーザーインターフェイス統合に関する一考察 ~ システムベンダーから見たこれからの課題 ~

牟田 邦彦 (株式会社 ケアコム)

 患者安全の観点から、重症患者向けの生体情報モニタとナースコールとの連携の普及が進んでいます。また、入院患者の高齢化に伴い、バイタルの監視を目的としない安価な見守りシステムも近年各社より製品化され、これらについてもナースコールとの連携が必要とされています。
 生体情報モニタや見守りシステム(以下、モニタリングシステム)は、スタッフステーションに設置されるPCディスプレイ等の画面にて、患者状態を一覧形式で表示するユーザーインターフェイス(以下、UI)を有します。一方、PC型ナースコールにも患者情報を一覧表示するUIが存在し、ユーザビリティの観点からは、両者の画面を統合した1つのUIとなる事が望ましいと考えられます。また、UIの一本化はユーザビリティの向上以外に、導入機器点数の削減と言う費用面での副次効果も期待されます。
 その一方UIの一本化には、 "UI上の情報過多化"、"異常発生時の伐分の煩雑化"、また、"ユーザー毎に多種多様なモニタリングシステムの組合せが生じる事でのコスト増大"と言った問題が生じると予想されます。
 これらを解決するには、
・ UIのあり方に関する、ユーザー/業界横断的なコンセンサスの形成
・ 個別ニーズを反映した連携動作全体を請負うシステムインテグレーターの役割拡大
・ 連携インターフェイスへのIHEテクニカルフレームワーク適用
と言った取組みが必要と考えます。