Japan Association for Medical Informatics

[3-D-2-4] 姫路支部に登録されている保険薬局におけるICT化に関する調査

櫛田 宏幸1, 田中 美早1, 森保 貴典2, 藤田 佳典2, 浦上 文男2, 砂金 秀美1 (1.姫路医療センター 薬剤部, 2.一般社団法人姫路薬剤師会)

目的:医療に係わるICT化は著しく、医療機関のみだけでなく保険薬局にも波及している。その一端として、処方箋に付帯するに二次元バーコード(以下、QRコード)や電子版のお薬手帳が挙げられる。使用開始から10年以上経過しているが、それに関する報告は少ない。今回、中規模都市である姫路市を中心とした保険薬局に対しアンケート調査を行い、ICT化の現状把握、問題点を明らかにし、今後のICT化の在り方について検討することを目的とした。対象・方法:兵庫県薬剤師会姫路支部に登録されている234薬局を対象にアンケート用紙を送付し、回答を得た。結果:回答率は55.6% (130/234)であった。応需する処方箋の50%以上にQRコードが付帯されている保険薬局の割合が63.9% (83/130)であり、QRコードを利用している施設は60.9% (78/128)であった。QRコード利用に関する費用対効果に満足している施設は65.5%(38/58)であった。また、電子版のお薬手帳を導入している施設は55.5%(71/128)であったが、そのうち実際に施設毎で患者へ電子版お薬手帳を提供している割合の中央値は2%(0.01-20)であった。電子版お薬手帳の費用対効果について、不満足とわからないを含めると66.1% (45/68)であった。考察:姫路支部の半分以上の保険薬局はQRコード付帯処方箋を応需・活用しており、日常業務に浸透しつつあることが明らかとなった。QRコードによるメリットも多く、満足度も高い結果となったと考えられた。一方電子版お薬手帳は、半数以上の薬局で導入しているにも関わらず、施設毎の提供率は低く、満足度も低いものとなった。原因として紙媒体以上の有効活用ができていないことや患者への普及が困難であることが考えられた。今後のICT化の普及と有効活用には、薬薬・医薬連携が前提となるため、自施設の環境整備だけではなく他施設や医療機関との連携を取りながら、システム構築を行っていく必要があると考える。