Japan Association for Medical Informatics

[3-E-1-6] 医療の効率化を目的とした診療ワークフローの導入

竹下 晋司1, 荒木 賢二2, 山﨑 友義2, 串間 宗夫2, 酒田 拓也2, 小川 泰右2, 松尾 亮輔2 (1.宮崎市郡医師会病院, 2.宮崎大学医学部附属病院医療情報部)

目的 :管理料、指導料、加算等において、一連の診療行為を医療者の共同作業で行う場合、情報入力のワークフローに沿った制御が必要となる。そのため、算定患者抽出のため一つの診療行為に対して発火するアラート機能と連携し、一連の診療ワークフローで各手順に対する通知を行うことで、次の手順を認識させ確実な診療ワークフローの遂行へ繋げる仕組みを開発したので紹介する。対象と方法 : 電子カルテシステム:(株)コア・クリエイトシステム 「カルテMan・Go!」に実装されたワークフローを導入した宮崎市内T病院の、「入退院支援加算Ⅰ」を取るための一連の診療ワークフローの特徴について医療の質の向上と効率化に役立つかを導入時及び利用開始後にアンケート調査を行い。職員からあげられた意見をまとめた。また、実際に設定したワークフローに対しての加算や指導料が的確に算定できていたかを検証した。結果 :電子カルテに搭載された、ワークフローアラート機能により、「入退院支援加算」に関するフローとして、退院困難な要因を有している患者を抽出し、初回面談→入退院支援計画書→退院支援カンファ→退院支援計画説明→退院先情報登録という流れを自動的に判断して、必要な文書の記載がない場合は、アラート表示を行いスタッフに業務を認識させた。 また、これまで普通に行われていた業務により加算が取れる事への気づきを与える事でよりコスト意識が高まった。 アンケートについては、現在導入された個々の機能について概ね良好な結果を得た。結語 :今回は、「入退院支援換算Ⅰ」のワークフローアラートについて検討したが、この仕組みは、「認知症ケア換算」や「救急医療管理料」といった様々な診療ワークフローに対応できるため、現場からの必要性を示すことができた。 今後、定期的な稼働状況の把握と現場のスタッフの意見を吸い上げ、医療の質の向上に行動変容がおきることを期待する。