[3-E-2-3] 看護師を傾斜配置する部署の選定基準 - 看護業務の忙しさを適正評価するための指標 第2報 -
【緒言】 当院では安心と信頼を得られる看護を実現するために、現状を反映した誰もが納得できる基準を設け、看護師を適正に配置することが重要と考えた。そこで7対1看護師配置部署における「看護業務の忙しさの指標(以後「指標」と略す)」1)22項目を考案した。指標をもとに算出したデータを用いて各部署の忙しさを得点化し、看護師を傾斜配置する部署の選定基準を作成した。【目的】看護師を傾斜配置する部署の選定基準を設定する。【方法】1.指標ごとに抽出データの条件及びデータを精査した。2.指標値の正規性を確認するためにShapiro-Wilk検定を行った。3.7対1看護師配置部署を対象に指標値の平均と標準偏差を計算し、各部署の指標値の平均を比較した。【結果】指標ごとに抽出したデータを精査した結果、22項目中3項目が、目当てとするデータではなかった。Shapiro-Wilk検定の結果から7対1看護師配置18部署のうち17部署が正規性であった。全部署の指標値の平均は.21で標準偏差(SD)は±.04だった。各部署の指標値の平均は、全部署の指標値平均±1SDの間に14部署、全部署の指標値平均±2SDに2部署、全部署の指標値平均±3SDに2部署が含まれた。【考察】 曖昧で不確かなデータを探索し、指標に対応するデータの選択をおこないデータの正確性を高めた。 正規分布の理論から、標準偏差値を利用することで全体の分布からみた評価が可能となった。18部署中14部署が1SD以内に含まれることから、看護師を傾斜配置する部署の選定基準を、部署の指標値平均が全部署の指標値平均±1SDの間に含まれない部署に設定した。【今後の課題】 看護師を傾斜配置する部署の選定基準を使用し、平成30年4月配置人数を決定した。指標値の蓄積を継続的に行い、看護配置基準を検証していく必要がある。参考文献1)松崎晴美ら:看護業務の忙しさを適正評価するための指標の妥当性評価,医療情報学36(Suppl.),2016.