一般社団法人 日本医療情報学会

[3-F-2-7] 結果確認漏れ防止に向けたレポート開封通知システム導入の試み

大迫 朋子, 松崎 勉, 緒方 義史 (独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター)

A病院では2012年7月の電子カルテシステム稼働と同時期にアストロステージ社のRIS・PACS・統合ファイリングシステムを導入した。統合ファイリングシステムとは、部門システムを統合しHISの情報も取り込めるシステムであり、当院では全検査結果(PDF・レポート・動画・静止画など)・スキャン文書を表示し診療情報データベースの役割を担っている。近年、検査結果の確認漏れによる医療訴訟が問題となっており、各医療機関で対策を求められている。当院は2017年度、読影医による画像診断報告書9694件、病理医による病理診断報告書3944件報告しており、このレポート数からみて当院でもインシデントを起こしかねない。そこで当院では、現在導入しているアストロステージ社の開封通知システムが適切であると判断し、当院に沿ったシステム機能追加を行った。機能追加した内容として、読影医や病理医がレポートを記載・登録したタイミングで指示医へ未確認レポートがあることをお知らせするToDo機能の導入、統合ファイリングでの未確認レポートの視覚的表示、開封通知確認を管理する部門に全指示医の未確認レポートチェック機能などがあげられる。また電子カルテシステムよりオーダした指示医が自動で開封通知医師名の枠に表示できるように作成し、読影医や病理医の業務負担の軽減を図った。このレポート開封通知システムを導入したことで、①指示医の未確認レポートの現象が図れた②未確認レポートが減少したことで患者に適切な診療につなぐことができた③開封通知確認を管理する部門が容易に未確認医師をピックアップすることができることで確認依頼を行うことができるようになった。今後の問題点として、ToDo機能から1回でもレポートを開封してしまうと未確認の進捗でもToDoリストよりレポートが見えなくなってしまうことなどがあげられるため改善に努めたい。