Japan Association for Medical Informatics

[3-H-1-1] 医薬品関連の標準マスタ

池田 和之 (奈良県立医科大学附属病院)

 平成22年に発出された「内服薬処方せんの記載方法の在り方 に関する検討会報告書」には、「「薬名」については、薬価基準に記載されている製剤名を記載」「「用法・用量」における服用回数・服用タイミングについては、標準化を行い」としている。一方、平成13年に発出された「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」でも、医薬品の用語・コードの標準化として、「医薬品の承認、市販後調査、副作用報告、流通、薬価などの目的別に10種類を越えている医薬品コードの統一を推進」とされている。さらに、平成14年に発出された「医療安全推進総合対策」においても、医薬品の表示やコードの標準化と合わせて処方箋記載の標準化も必要な旨が示されている。
 これら医薬品に関連する標準マスタには、医薬品標準マスタとして「医薬品HOTコードマスター」が、用法の標準マスタとして「処方・注射オーダ標準用法規格」がある。特に、「処方・注射オーダ標準用法規格」は、平成30年5月21日「「保健医療情報分野の標準規格(厚生労働省標準規格)について」の一部改正について」により、厚生労働省標準規格として認められた。本規格は、日本病院薬剤師会と日本薬剤師会において定められた「標準用法用語集」に対し、日本医療情報学会がコード化したものである。なお、この規格は、日本医療情報学会の標準策定・維持管理部会で維持管理を行っており、最新版は2018.03.01版である。日本医療情報学会のホームページにて「医療情報の標準化に関する情報・資料など」のページで公開している。
 本共同企画では、今後の地域医療連携や大規模臨床研究における施設横断的な医薬品関連の調査などで利用するため、これら医薬品に関する標準マスタについて理解を深めたい。