Japan Association for Medical Informatics

[3-I-2-1] 看護業務を支援するシステムの完成度に関する予備的研究 -日本医療情報学会での発表文献のタイトル情報に基づくシステム開発・評価のアクティビティの推移-

津久間 秀彦1, 渡邉 春美2, 胡 美恵3, 糠信 憲明4, 須原 麻砂江5, 三原 友吾6, 相澤 美香6 (1.広島大学病院医療情報部, 2.広島赤十字・原爆病院看護部, 3.県立安芸津病院看護部, 4.広島国際大学看護学部, 5.県立広島病院看護部, 6.広島大学医歯薬保健学研究科)

【はじめに】多年に渡り看護システムが導入されてきたが、使いづらい/利用に時間がかかる等の声を聴くことは多い。そのため、看護システムのこれまでの到達点と残課題の明確化は重要な意味を持つ。文献調査はそのための重要な手段の一つだが、これまで看護領域で本格的な調査は実施されていない。【目的】アプローチの準備段階として、本研究では日本医療情報学会での看護システム関連の発表のアクティビティを把握することを目的とする。【方法】(1)医中誌で、対象を「医療情報学/医療情報学連合大会/看護学術大会」の3誌に限定。(2)抽出ワードは[病院情報システムor電子カルテ]and[看護支援or看護情報or看護業務or看護記録or看護管理]。(3)2000年(第1回看護学術大会)から2016年を抽出。(4)看護過程関連の用語をタイトルから抽出して年ごとに集計。(5)タイトルと著者情報から「①看護システムの導入や評価/②一般利用を想定した用語や機能の研究・開発/③蓄積データを活用した看護業務関連の研究」等に分類。(6)(4)や(5)を前半期(2000-2008年)と後半期(2009-2016年)に分類。【結果】900編が抽出され、方法(5)の①538編/②70編/③73編であった。また、前後半期別では①345編:193編(前半期率64.1%)/②47編:23編(同67.1%)/③30編:43編(同41.1%)であった。また①に限定した場合、看護過程関連の用語は「記録」(105編)が全期間に渡り出現したのに対して、その他は10~30編程度が前半期に多く出現する傾向であった。【考察】看護過程関連のシステム開発・評価は前半期で概ねひと段落して、蓄積データを利用した研究に発表のアクティビティが移っている傾向であった。タイトル情報だけでの今回の評価は、内容に対する正確性の確保も含めて限界があるので、今後本文を閲覧し分析して「前半期で看護過程のシステム化」が概ね完成したと認識できるかどうか等を検証する必要がある。