[3-I-2-6] 中小規模病院に勤務する看護師を対象とした看護情報の活用に向けた継続教育の評価
【はじめに】本研究では、3つの中小規模病院に勤務する看護師を対象とし、看護研究における看護情報の活用に関する研修を実施した。実施後、その受講者を対象に自記式アンケート調査を行った結果を基に、実施した継続教育の評価を行ったので報告する。【目的】臨床看護研究の指導者となり得る臨床看護師を対象に実施された、看護情報の活用に向けた看護研究に関する継続教育の評価を行うことを目的とする。【方法】臨床看護研究における看護情報を活用するための継続教育について、過去の研究結果に基づいて講義および演習内容について検討を行い、研修プログラムを立案した。その後、中小規模病院3施設に勤務する看護師の中で、臨床看護研究の指導者となり得る臨床看護師を対象に、立案した研修プログラムに沿って看護情報の活用に向けた看護研究の継続教育を平成28年~29年の2年間において計5回実施した。研修終了後、受講者を対象に、講義内容についての理解に関する項目、電子カルテの必要性や看護情報の二次活用に関する項目について、研修前後における理解の度合いを、ビジュアルアナログスケール(VAS)を用いて「全くわからない(全くできない)」から「よくわかる(よくできる)」まで、0~10点に数化し、各々の項目における点数を問うた。【結果及び考察】アンケート調査では、3施設においてA病院46名、B病院12名、C病院18名の計76名に調査を実施した。職位は、看護師が最も多く53名、次いで主任が8名であった。各々の施設では、看護業務に電子カルテシステムが導入されていた。研修内容である「EBNについて理解できましたか」については、研修前の平均が1.82ポイントであったが、研修後は5.21ポイントと上昇していた。他の項目についても、研修後にポイントが高くなる傾向が認められ、本研修の実施が、看護情報の活用に向けた看護研究についての理解を深める一助になったと考えられた。