Japan Association for Medical Informatics

[3-J-2-2] 医療安全の向上を目的とするシステム改修への取組み~医療情報部と安全管理部との合同カンファレンス~

西口 真由美1, 松本 武浩2, 江副 智美1, 伊藤 眞由美2, 江頭 あや子1, 木村 由紀1, 中川 博雄3, 岡田 みずほ1, 本多 正幸2 (1.長崎大学病院 看護部, 2.長崎大学病院 医療情報部, 3.長崎大学病院 薬剤部)

【背景】2015年1月に更新した病院情報システムのコンセプトに、「医療の安全向上」が挙げられた。医療情報部では、システムに関するインシデント事例に対して、より多角的な視点での問題解決を目指し2015年6月から1回/月の医療情報部と安全管理部による合同カンファレンスを開始した。安全管理部職員がインシデント事例の中で、システム改修での解決が有効と思われるものを抽出し、その後医療情報部職員と共に対策を検討する。今回、検討した事例に対するシステム改修および解決状況から、医療安全面での合同カンファレンスの有効性を検討した。【方法】2015年6月~2018年3月の合同カンファレンスで検討したインシデント事例をカテゴリー化し、システム改修の有無、問題解決方法および進捗状況を調査した。【結果】検討した事例は、調査期間中計45件だった。内訳は、注射17件、検査8件、内服7件、食事4件、輸血3件、患者基本3件、指示2件、麻薬1件だった。システム改修に至ったケースは、採血ラベルへの採取時刻の表記など検査3件、禁忌薬剤のアラート表示など内服3件、電子カルテとPDAでの認証時警告マークの統一など注射2件で、対応後1年以上経過したもの6件中5件で同様のインシデント発生は見られなかった。一方で、運用での解決が有効と判断したものは28件、調査中のものが9件だった。【考察・結論 】これまでの合同カンファレンスでは、院内で発生したインシデント事例8件に対して、システム改修による対策をとることができた。よって、医療安全の向上の視点から、合同カンファレンスは極めて有効であると言える。なお、システム改修後には同様のインシデントが発生していないかの調査は継続している。さらに現在の合同カンファレンスでは、看護師に加え、安全管理部の薬剤師、医療情報部のシステム担当者が新たに参加し実施している。多職種が参加することでさらに多角的な視点での問題解決に結びつけることが可能と考える。