[3-J-3-1] SS-MIXへのFHIR Webサービス実装の試み
これまでにEDCと連携可能なWebサービスを開発して,EDCと電子カルテとが連携できる可能性を提示した.しかし,あくまでもEDCの類例として検証に用いたREDCapと連携可能なWebサービスとしてのプロトタイプ実装であり,REDCapの実装依存であること,Webサービスと本邦の医療情報システムとの具体的な連携手法の開発が課題であった.前者のEDC独自の連携インタフェースに依存する課題について,SMART on FHIRという,FHIRを利用した標準的医療情報交換手法としてのWebサービス規格が開発された.電子カルテ側がSMART on FHIRに準拠したWebサービスを開発して提供することにより,EDCを含めた医療情報を利用するアプリケーションは,背後にある電子カルテシステムの素性を考慮することなくデータ交換が可能となる.後者の医療情報システムの標準Webサービスの準拠について,FHIRのWebサービスからSS-MIX標準化ストレージを読み取る仕組みを開発することで,電子カルテシステム側の改修を抑制する方法論を着想した.カナダのUniversity Health Networkによって開発されたHAPI FHIRフレームワークを利用し,SS-MIX上のデータを公開してEDCと連携できることを確認した.SS-MIXはHL7 2.x以外のデータについて拡張領域に格納することが求められており,HL7 2.x以外で網羅される情報モデル群についての連携可能性への配慮が今後の課題である.