[3-J-3-2] 当院における標準マスター導入の状況
【背景】当院ではこれまで薬剤、検体検査、放射線検査などに独自コードと独自名称を使用しており、全国規模の症例データベースへのデータ提供や他院との比較の際、困難に直面してきた。そのため、今年1月に稼働した新病院情報システムのマスターを作成するにあたり、医用工学研究所の協力を得て、標準マスターに基づくよう強く指導した。各マスターは一部を除き各部門の技師、看護師、事務官が作成しており、標準化の度合いは各部門に一任した。【目的】新システムのマスターにどの程度標準コードが用いられているかを明らかにすること。【方法】新病院情報システムの看護計画、看護ケア、観察項目、放射線検査、検体検査、薬剤、診療材料の各マスターを確認し、どの標準コードを用いているか、全マスターの何%に標準コードが付与されているかを調べた。【結果】看護計画マスターはアウトカムにBasic Outcome Masterを採用した。全237種類の看護計画のうち、198種類(83.5%)のアウトカムに使用されていた。看護ケア、観察項目についてはMEDISの看護実践用語標準マスターを全て採用した。放射線検査マスターは撮影パターン146,065レコード全てにJJ1017コードを付与した。検体検査マスターはJLAC10コードを外注検査に付与しており、全検査のうち約60%にあたった。薬剤マスターはYJコードとHOT13コードを使用しており、全4,763件のうち、YJコードは4,279件(89.8%)に、HOT13コードは2,968件(62.3%)に付与されていた。診療材料はGTINコードを付与しており、全34,112レコードのうち、31,293レコード(91.7%)に付与されていた。【結論】複数施設でデータを共有するためにはデータの標準化が不可欠であり、特にマスターの標準化は急務である。今回、限られた時間内で標準化を進めたため不十分となってしまったが、ある程度マスターの標準化は達成したと考える。今後はさらに標準化を進めていく必要がある。