Japan Association for Medical Informatics

[3-J-4-1] 慢性心不全患者に対する遠隔看護介入プログラムの実用性についての予備調査

石橋 信江1,4, 東 ますみ2, 藤永 新子3 (1.甲南女子大学, 2.神戸女子大学, 3.四條畷学園大学, 4.兵庫県立大学大学院)

<目的>高齢慢性心不全患者への遠隔看護介入プログラムを実施し、看護介入方法の確認および検討を行う。また、使用するスマートフォンやビデオ通話の操作性についての確認を行い、本調査での実行可能性に対する示唆を得る。<方法>セルフモニタリングを基盤とした高齢慢性心不全患者への遠隔看護介入プログラムを作成し、遠隔看護介入を3か月間実施する。対象者は65歳以上の入退院を繰り返している慢性心不全患者で、スマートフォンのビデオ通話機能を使用し、退院から1か月間は週に1回、退院後2~3か月間は1か月に1回の頻度で、定期的に研究者より連絡を行い、健康状態を確認し看護相談および指導を行う。遠隔看護には、i Phone4s 16G(3G回線)のFace Timeによるビデオ通話機能を使用する。倫理的配慮として研究者が所属する大学および協力施設の研究倫理委員会の承認を得て実施した。<結果および考察>実施期間は平成24年12月~平成25年8月、対象者は68歳~80歳の男女4名で、これまでスマートフォンを使用したことがある者はいなかった。4名の患者それぞれに対し、3か月間介入を行った結果、1回の介入に要する時間は4~10分程度で、体調に変化があり、詳細に話を聞く必要があるときでも10分程度で終了し、遠隔看護介入プログラムの項目に過不足はなかった。また使用機器については、全員、戸惑うことなく使用することができた。しかし、居住地域の電波状況によって映像および音声の途切れが見られることがあった。介入終了後の感想として、スマートフォンの操作に対する不安はあるものの、ビデオ通話のやりとりによる負担はなく、継続して行ってみたいとの感想が聞かれた。以上の結果から、作成した遠隔看護介入プログラムの内容で過不足はなく、年齢、性別に関係なく、スマートフォンを使用した遠隔看護を実施できる可能性が示唆された。しかし、対象者の居住環境や天候によってビデオ通話が使用できない時があったため、本調査では使用機器の変更を検討する必要がある。