Japan Association for Medical Informatics

[3-K-1-4] 電子カルテ端末でWeb閲覧環境を構築した事例

中原 孝洋1, 守下 昌輝2, 永松 浩3, 林 政成4, 福泉 隆喜1, 久藤 元5, 冨永 和宏6 (1.九州歯科大学共通基盤教育部門, 2.九州歯科大学歯周病学分野, 3.九州歯科大学総合診療学分野, 4.九州歯科大学事務局病院事務部, 5.九州歯科大学副理事長, 6.九州歯科大学顎顔面外科学分野)

はじめに診療中、インターネット経由で情報を得たり、連絡を取る必要性に遭遇することは珍しくない。電子カルテ等の院内端末が外部接続できればよいがセキュリティ対策の必要があり、そのため、環境構築は煩雑で多大なコストが掛かるとされてきた。今回、Webブラウジング専用サーバ(以下、ブラウジングサーバという)を構築し、電子カルテ端末(以下、端末という)から接続することで、所定の効果を得ることができたので報告する。方法大学ネットワークにブラウジングサーバ(Linux)を設置し、Firefoxをインストールした。ウィンドウシステムはGNOMEとした。このサーバと端末はリモートデスクトップ(rdp)接続することとし、xrdpを導入した。また、認証のために全学ActiveDirectoryをLDAP経由で利用した。ブラウジングサーバのプライマリインターフェイスを大学ネットワーク側に、セカンダリインターフェイスを医療情報システムサーバセグメント接続した。これにより、ブラウジングサーバは外部と通信ができ、かつ端末からrdpにて接続可能となる。結果試験的に、10ユーザの同時接続を行なったが、メモリの使用量は数GBに留まり、WebブラウジングによるCPU負荷は特段のものではなかった。xrdpの設定で、端末画面とrdp画面間でのコピー&ペーストは禁止しているため、電子カルテに表示されている情報を、ブラウザ経由で外部に発信することは出来なかった。Webトラフィックはブラウジングサーバのみが通信したこととしてファイアウォールに記録される。利用者を特定は、まずxrdpのログから端末のIPアドレスを調べ、さらに端末の使用履歴を追跡することよって可能となった。考察院内端末でWebを閲覧するためには、大きなハードルがあると思われたが、安価かつ簡便に構築することが可能であった。今後、利便性についてのアンケートの実施やログデータの調査を行ない、Web閲覧による業務効率向上等の分析を行なうことにしている。