Japan Association for Medical Informatics

[3-K-2-2] 電子カルテの使い易いテンプレート作成における実践から得た留意点

高橋 国人, 脇坂 仁 (防衛医科大学校)

当病院の電子カルテ(CIS、IBM)には、ユーザーがテンプレートを修正・追加できる部分がある。電子カルテ換装(2015年3月)以降、作成権限を有するユーザーは院内各部門科に居るものの、医療情報部がほぼ全てのテンプレートを作成している。作成依頼元は看護部が多く、換装以降に作成されたテンプレート29個の内で主に看護師が使用するものは19個である。頻用例では、入院診療計画書(看護師分)テンプレートの使用実績が約11,300件であり、このテンプレートのリリース後に作成された入院診療計画書数の約85%に相当する。テンプレート作成過程は①作成依頼受付、②打ち合わせ、③実装、④試用版リリース、⑤利用版リリースに大別されるが、完成形に対して最も影響する過程は②であり、次いで③である。テンプレートで実現したい要望が明瞭でない場合は多々あり、これはテンプレート機能の仕様(データ容量、行替え、入力画面と記録形の違いなど)に依るとも言えるが、より一般的には依頼元で用意した様式が手書き記入(紙媒体が原型)を無意識に想定しているためと言える。これを解決し、テンプレート入力画面および電子カルテでの記録形を具体的にイメージする主な過程が②である。③は可能であれば、依頼者同席で進めることが経験的に望ましい。②でイメージが固まっていても、実際の見栄えや使い勝手はここでほぼ決定または改良されるので、リアルタイムに依頼元の要望を伺いながら作成すると効果的である。しかし、テンプレートが長いまたは比較的複雑な場合など、現実的には④と⑤の間の修正過程で実施することが多い。今回、それら作成過程について、実例を挙げつつ、使い易いテンプレート作成上の可能な限り一般化した留意点を報告する。また、ひな形(MS Word等)取入れ型のテンプレートと共通する部分もあり、これについても言及する。