Japan Association for Medical Informatics

[3-K-4-4] 診療系端末から閲覧可能なバイオバンクポータルサイトの構築

松村 亮1, 波多野 賢二1, 服部 功太郎1, 宮川 友子1, 宮下 由紀子1, 横田 悠季2, 吉田 寿美子3, 永井 秀明4, 後藤 雄一1 (1.国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター, 2.国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部, 3.国立精神・神経医療研究センター病院, 4.国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター)

【背景・目的】 当センターでは、診断・治療法の開発基盤となるバイオバンクの構築を進めている。多くの患者の協力によりバイオリソースと併せて臨床・研究情報も集積されているが、その中には診療上有用な情報も少なくない。集積した情報を診療への活用に供することが期待されてきたが、バイオリソースの情報システムは病院の情報システムとは別個に開発され、ネットワークも分離されていたため、診療への直接の情報提供が困難な状況があった。 そのため診療系端末からバイオリソース情報へのアクセスを容易にし、診療への情報活用を促進することを目指し、バイオバンクポータルサイトを構築したので報告する。【方法】 バイオリソース情報システムのネットワークにポータルサイト用のWEBサーバ端末を設置し、診療系ネットワークの端末からHTTPアクセスが可能になるよう設定した。WEBサーバはApache、開発言語はHTML+PHP、DBはMySQLを使用し、バイオバンクポータルサイトを構築した。診療系端末のWEBブラウザからHTTPのパラメータとして送信される利用者IDと患者IDで認証し、DBに該当患者が存在する場合は、バイオバンクレポートをはじめとする患者のバイオリソース関連情報を表示できるようにした。セキュリティ面に配慮し、端末のIPアドレス認証およびログ取得機能を実装した。【結果・考察】 本システムを開発したことにより、これまで診療系端末からは閲覧が難しかったバイオリソース情報の閲覧が容易となった。これにより手間や容量的な負荷をかけることなく、研究で得られた情報を診療に還元する機能が整備できたと考える。またバイオバンクからの周知等、併せて各種情報の提供が可能になった。今後は診療系システムのデータベースとも連携し提供できる情報の質・量を充実させる追加開発を行い、診療-研究間を相互補完できるようなシステム構築に寄与したい。