Japan Association for Medical Informatics

[3-K-4-5] ナショナルセンター・バイオバンクネットワークカタログデータベースの活用状況

島貫 秀之 (ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク 中央データベース・広報部門 国立研究開発法人国立国際医療研究センター)

背景:ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)は、6つの国立高度専門医療研究センター(NC)のバイオバンクがネットワークを構築し、収集したバイオリソースを研究開発に活用できるサービスの実現を目指し、6NC間の情報を一元的に照会できるカタログデータベース(カタログDB)を公開した。運用方法:各NCから疾患名や問診情報、試料の種別などを共通のフォーマットに変換し、匿名化したデータ(カタログデータ)を中央バイオバンクに集約。インターネット上で一般公開し、医療、製薬に関わる企業や研究者が制限なく閲覧し、問い合わせができるようにしている。活用状況:カタログDBは5年間で約7万人分(試料情報は20万件以上)のカタログデータを集約しており、全てのデータを病名コードや年齢、性別、試料種別などの条件で各NCの生体試料の保有件数を種別ごとに検索することができる。使い勝手を向上させる取り組みとして、検索条件をID管理することでの問い合わせへの返答レスポンス向上や投薬、検査情報など付加医療情報を追加することでの検索結果の充実化、試料の譲渡、提供に関わる利用条件を項目に追加することでの検索機能強化などを実施。更に2017年から新機能としてICD10病名分類に制限されない直観的な検索ができるようにキーワードによる病名検索機能を追加した。「がん」という入力に対して「悪性腫瘍」などを含む病名候補を抽出、その結果を基に現行の条件と合わせて絞り込めるようにした。利用者が欲しい情報を導きやすくする改修を加えていくことで企業や共同研究への3万件の検体提供につながっている。しかしながら、現在の項目だけでは企業や研究者のニーズに細部まで沿えず試料提供までに問い合わせが重なったなど課題もあり、検索項目の見直しを計画している。キーワード検索においても検査名や薬剤名などからの検索もできるような機能拡充を目指している。