Japan Association for Medical Informatics

[4-A-2-1] クラウド型広域調剤情報共有システムの構築と有効性・安全性の検証(長崎大学 前田隆浩:AMED課題管理番号18lk1010008h0001-3)

前田 隆浩 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科、)

近年医師の地域偏在や医療の専門化・細分化、高齢化の進展等によって、地域医療における医療確保とポリファーマシー問題は深刻さを増しており、医療資源の有効活用と適切な服薬管理・指導は喫緊の課題となっている。特に離島・へき地では地理的条件や社会インフラ等の整備状況、さらに慢性的な医師不足や一段と進行している高齢化などから、複雑化・慢性化する医療・ケアへの対応、そして医療・ケアへのアクセスが大きな課題となっている。安心安全な医療提供と医療資源の有効活用のためには、患者と医療者、さらに医療関係者間における効率的なネットワーク構築と情報共有が欠かせない。
こうした中、本研究では、分散している地域医療関連情報を連結させて実用的な情報共有システムを構築し、安心安全で効率的な医療提供と多職種連携を推進するとともに、蓄積されるデータの二次利用環境を整備し、安全性と有効性の検証、そして有用情報の発信を目指している。
具体的には、地域全域をカバーしているクラウド型調剤情報共有システムと県内全域で稼動している医療情報共有システムを接続することで広域的調剤情報共有システムを構築し、実用化と利用拡大に向けたノウハウを蓄積している。更に利用者を匿名化し、二次利用可能となった仮想空間(データベース)の構築により、流行性・季節性疾患との関連、医療経済学的な影響、疑義照会情報との関連、データ漏洩防止に関する安全管理等に関する研究を進めており、その成果につき報告する。