Japan Association for Medical Informatics

[4-B-1-2] 匿名加工コンテスト下の匿名加工技術・有用性指標の開発

菊池 浩明 (明治大学総合数理学部)

2017年の改正個人情報保護法施行により,本人同意がなくとも第三者提供ができる「匿名加工情報」の利用が始まった.2018年には,次世代医療基盤法も施行され,匿名加工情報と匿名加工医療情報を利用した新しいビジネスの創出が期待されている.
しかしながら,匿名加工情報の再識別リスクはそれほど自明ではなく,個人情報保護委員会が公布した「個人情報の保護に関する法律施行規則」第19条の 匿名加工情報の作成方法に関する5つの基準は,定性的な記述に留まり,標準的な評価手法は定まっていない.例えば,匿名加工時に想定していた以上の長期間に渡って履歴が流通すると,再識別リスクが高まることが懸念される.そこで,これらの技術的な課題を中手牛,安全な匿名加工アルゴリズムと再識別評価法を競うコンテスト Pws Cupを2015年より開催している.本報告では,2018年10月22日に開催されるPws Cup 2018の結果を報告し,2018年度のテーマである一般化における安全性の基準について考察する.