Japan Association for Medical Informatics

[4-B-2-1] MID-NET本格稼働後の状況

長谷川 知章 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

 MID-NETは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づきPMDAが運営・管理するデータベースである。平成23年度から、厚生労働省、協力医療機関の協力のもと構築を進め、平成30年4月より約400万人のデータベースとして本格運用を開始した。
 MID-NETは各協力医療機関にデータベースを設置する分散型システムであり、利活用者はオンサイトセンターからデータセンターにリモート接続し、協力医療機関から送信されたデータに対して解析等を行うことができる。また、MID-NETは、一定の基準で選定し精度確認した約200種の検査項目について解析することができる。利活用者が取扱うデータは、直ちに個人を識別できないよう処理されているため、原則的には、個人情報の保護に関する法律等で規定される個人情報には該当しない。しかし、個人を特定できる可能性を完全には否定できないため、電子診療情報を取得された方への配慮を行っている。
 また、利活用の結果に影響が出ないよう、協力医療機関に集積されたデータの信頼性、標準化の信頼性、データ抽出機能の信頼性、データセンターへのデータ送信機能の信頼性及びSASデータセットへの変換機能の信頼性を独自の手法により確認している。
 さらに、MID-NETの利活用予定者に対して、定期的に研修を開催するとともに、必要な情報をホームページで公開する等により提供している。また、製造販売後データベース調査を実施する予定の製薬企業数社による管理状況の確認が行われており、問題は指摘されていない。
 なお、2018年8月上旬の時点で、行政利活用が2件承認されており、その他に申出2件(製造販売後データベース調査1件を含む)が審査中である。
 本発表では、本格稼動後の状況として、利活用可能なデータの集積状況、PMDAに設置されたオンサイトセンターの利用状況等、最新の状況について説明する。