Japan Association for Medical Informatics

[4-C-3-6] GS1バーコードによる電子カルテへの医療材料入力運用構築から見えてきた導入作業の実際と課題

渡邉 勝1, 白根 礼造3, 小島 まゆみ2, 外山 理江1 (1.宮城県立こども病院 診療情報室, 2.宮城県立こども病院 看護部, 3.宮城県立こども病院 副院長 兼 診療部長)

GS1バーコードは、医薬品医療機器の分野、特に医療材料で多くみられるようになった。GS1はコンビニの商品のようにすでに使用単位の材料にバーコードが印刷されているため、院内SPDが別にバーコードシールを貼る作業が必要無い事から、簡単に導入出来ると考えられた。今回、記録入力の看護負担軽減(SimpleScan)を目指し、ICUにてテスト導入を行った。当院電子カルテで、処置入力画面とコスト伝票(看護処置等のオーダー)画面にバーコード入力する枠はあったがJAN規格13桁のみの仕様だった。ベンダーへGS1の理解を求めたが、病院独自にバーコード貼る事を他院の事例として紹介され、対応はカスタマイズ費用がかかるとされた。そこで、バーコードリーダーの設定に注目し、GS1読み取り時JAN部分13桁のみを送信する設定でコストをかけずにカルテ入力を可能とした。次に電子カルテマスターの整備に着手し、SPDマスターJANの部分を電子カルテ材料マスターへのコンバートを検討したが、SPDの管理が悪いのか実際の商品のJANとSPDとの不整合が複数あり断念した。ICU倉庫内の材料のバーコード部分をすべてコピー印刷(約300件)し、それを診療報酬算定可と不可に分けて、可のもの(140件)のみJANを手動登録することとした。算定可でバーコードが無い物が1件、算定可なのに電子カルテマスター無しの24件については、入力出来ず算定漏れしていた可能性があった。小児病院の場合、新生児からが対象であり一般病院よりも多数のサイズの在庫が必要である。似たような材料が多数表示されたリスト入力からGSI入力への全移行で、看護業務軽減したが、GS1だけでは診療報酬算定の可否判断が出来ない事、材料1つに1つのJANしか登録できず、新旧材料移行時にマスターの追加が必要、かつそれに伴う集計業務の組直しによる業務増の課題は増え、GS1の特性の理解と工夫が必要であった。