Japan Association for Medical Informatics

[4-G-3-6] 回復期病院へ転院する脳血管疾患患者の寝たきり度ランクを特徴づける看護サマリーの自由記述内容

藤原 亜紗美1, 石田 法子1, 坂本 栞1, 奥田 益美1, 安田 晃2 (1.松江赤十字病院, 2.島根大学医学部医療情報学講座)

【はじめに】転院に際して切れ目のない看護の提供には看護サマリーの充実が必須である。なかでも脳血管疾患患者では身体・認知機能の障害のため多くのケアが必要であり、介護度判定には寝たきり度が重要視される。寝たきり度は障害高齢者の日常生活自立度をランクJ、A、B、Cで表現し、Jは1人で外出できる、Aは介助で外出できる、Bはベッド上中心の生活だが介助によりベッドから離れて過ごす、Cは1日中ベッド上で過ごす、という判定基準から成る。第18回日本医療情報学会看護学術大会にて寝たきり度と看護サマリーの自由記述内容の用語について対応分析、クラスタ分析を行い双対的な関連性を報告した。寝たきり度と用語に関連性がみられたことから、今回は寝たきり度別に項目間の近接性をユークリッド距離で測り、ランクを特徴づける用語が示されたため報告する。【方法】2016年4~7月にA急性期病院から回復期病院へ転院した脳血管疾患患者の看護サマリーを電子カルテより抽出し、自由記述内容をMEDIS等の基準に基づき用語15種類に置換した。寝たきり度と用語の頻度を行列として考え、計量的多次元尺度構成法で用語の類似性を2次元プロットした。【結果】対象サマリーは35件、自由記述総文字数15,916、総用語数709だった。寝たきり度が重くなるにつれて用語の類似性を示す距離に散らばりがみられた。寝たきり度正常/ランクJは診療情報、ランクAは安全ケア、ランクBは移動ケアと排泄ケア、ランクCは食事ケアのプロットに特徴がみられるなど、寝たきり度によって用語の類似性・非類似性に特徴がみられた。【考察】今回得られた計量的多次元尺度構成法による解析から、寝たきり度のランク別にそれぞれ固有の特徴づける用語が示された。この結果から看護サマリー作成における課題が示唆され、看護サマリーの充実に役立つものと思われた。