Japan Association for Medical Informatics

11:45 AM - 12:45 PM

[LS1] 医療の質・安全性の向上と働き方改革に向けたICTの活用

甲斐 聖人 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院 医療情報部)

ICTを活用した働き方改革の目的の一つに「業務の効率化」があげられる。電子カルテ等のデジタル化情報、紙ベースの文書・帳票類、各部門での検査結果やレポート等を統合し、情報閲覧までに要する時間を短縮できれば、業務効率は格段に改善すると思われる。もう一つの目的は、「医療の質、安全性の向上」である。医療の質を高める活動であるNST、褥瘡対策、感染対策、合併症予防等、多職種専門チームによる様々な患者介入において、ICT化によりケアプロセスが可視化されれば、スタッフ間の情報共有は円滑となり、確実かつ適切な対応に結びつく可能性は高まる。また、昨今度々報道される検査所見の見落としによる医療事故に対して、ICT化により未然防止の仕組みが構築できれば、確実に事故件数は減少するであろう。
当院では昨年、電子カルテの更新にあわせて、富士フィルムメディカル社のCITA Clinical Finderを導入した。ケアプロセスの可視化や検査レポートの既読管理等に取り組んだ事例も紹介しながら、医療の質・安全性の向上と働き方改革に向けたICTの活用についてお話ししたい。