Japan Association for Medical Informatics

[TS2-1] 地域医療連携における情報連携基盤技術仕様―現状と将来―

関 昌佳 (有限会社グローバルフォー)

 2016年4月より、ネットワーク利用による地域連携での診療報酬加算が始まり、今後、様々な形の地域連携システムが普及すると考えられる。地域連携システムは、相互運用性を考えると、高度の標準化が必要であり、世界標準の地域連携の方法としてはIHEが中心となってまとめ、厚生労働省標準規格となった「地域医療連携における情報連携基盤技術仕様」がある。この技術仕様は、XDS(Cross-enterprise Document Sharing)やXCA(Cross-Community Access)などの統合プロファイル群である。また、技術仕様は毎年拡張されており、今後、XDS-SD, PWP, SVS, XUAなどの追加の可能性があり、これらについて解説する。
 XDSやXCAを実装するためには、システムが大がかりとなり、導入コストがかかることが指摘されている。この導入コストを減らすために、IHEではnetPDIと呼ばれている導入の容易な地域連携システムについても提案している。このnetPDIは、すでに静岡県の数施設で稼働しており、その概要について説明する。
 最近はMobile機器に地域連携機能を実装するために、IHEを利用することが検討されており、HL7ではFast Health Interoperable Resources(FHIR)が開発され、IHEはこのFHIRを利用して、新しいプロファイルが開発されつつある。このようなモバイルに関する標準化を解説し、FHIR関連のIHEプロファイルについても解説する。