Japan Association for Medical Informatics

[TS4-2] 第1部 HELICS協議会の活動状況
HIS, RIS, PACS, モダリティ間予約, 会計, 照射録情報連携 指針(JJ1017指針)の概要

山本 剛 ((公社)日本放射線技術学会 標準・規格委員会 JJ1017班長)

 医療情報標準化推進協議会(HELICS協議会)は、2001年に設立され、標準化活動をしています。その活動は、医療情報システムで扱う患者情報などを電子的に交換するための方法、コードや保存形式について、標準化団体間での一貫性のある活動を実現するために、標準化の方針と内容について協議しています。同時に、利用分野ごとに使用すべき標準規格を推奨し、指針を定め、医療情報標準化レポートを提供しています。HELICS協議会が指針とした標準規格のなかから、厚生労働省の保健医療情報標準化会議が審査して、厚労省標準規格が定められております。現在までに、17の厚労省標準規格があります。
 第1部では、HELICS協議会の活動を紹介するとともに、現在採択されている指針の中から地域連携の標準規格と画像検査に適用されるシステム間連携の指針を取り上げ解説を行います。
 第2部では、第3回目のブームとして最近非常に注目されているAI(人工知能)に関して、「標準化とAI」というテーマで講演を行います。標準化されたデータを利用することのメリットとして、データの妥当性、正確性、一貫性、均一性、完全性の観点で医療データの品質を高めるデータクレンジングの作業を大きく短縮できることが挙げられます。ここでは、SS-MIX2標準化ストレージデータを利用して行った3つの糖尿病重症化予測AI(受診中断予測、血糖値管理不良予測、腎症のRapid decliner予測)について、標準化された医療データを活用したAI構築手順について解説いたします。