Japan Association for Medical Informatics

[TS5] SS-MIX2大規模診療データベース、継続性を確保したベンダリプレースの実際

堀口 裕正1、川島 直美2 (1.国立病院機構本部 情報システム統括部 データベース企画課長、2.国立病院機構本部 情報システム統括部 データベース企画課)

 国立病院機構(NHO)では、SS-MIX2データを収集活用することに加え、標準的なSS-MIX2モジュールの普及促進を目指した大規模診療データベースを構築し、運用している。診療情報集積基盤(NCDA、NHO Clinical Data Archives)と名付けた本データベースは、機構内41病院において「SS-MIX2標準化ストレージ仕様書Ver.1.2d」完全準拠かつ標準コードを付与した上で、2016年1月診療分よりデータ収集を開始している(現況は機構内58病院での運用を行っている)。収集データは各病院から出る段階で「machine readable」であることを大前提に置いたわれわれの経験は、「標準作業手順書」としてWebサイト上に公開し、また技術資料もGitHubサイトにて追加更新をかけながら公開をしている。
 さてこうして電子カルテから機械的に日次出力されるSS-MIX2データを用いた大規模診療データベースであるが、各病院側電子カルテシステムのリプレースの際には他ベンダに変わることも当然想定されるイベントである。運用開始から年時を経ないものの、さっそく複数病院にて電子カルテが他ベンダにリプレースとなっている。こうした際に、病院側のリプレースプロジェクトが過負荷とならず、かつ、データベースとしての継続性を確保する、こうしたベンダリプレースの実際について、本部データベース運用管理者の立場から、また各病院におけるリプレース実務担当者の立場から、そしてリプレースにあたり、引き継ぎをするベンダ側担当者、引き継ぎを受け構築するベンダ側担当者、それぞれの観点で解説を行う。
 われわれの経験をもとに、広く普及促進に努めるものである。