[2-A-1-05] 画像レポート見落とし対策と対策システムのアウトライン -レポート見落とし防止対策システムの機能仕様項目の策定-
この発表は、大阪大学松村教授を主座とする「医療安全に資する病院情報システムの機能を普及させるための施策に関する研究」研究班が、平成30年度に取り組んだ「画像レポート見落とし対策の策定」の概要をまとめたものである。議論の中で、医師への教育が重要である点には異論はなかったが、現実の医療体制では、医師は余裕の無い状況に置かれることは屡々あり、医師への教育・注意喚起だけで問題は解決しない。講じるべき基本的対策は(1) 教育、(2) 医師にレポートの存在を気づかせること、(3) 第三者による未読監査、(4) 第三者による対応の確認、の4つに集約された。
各医療機関で既に実施されている対策は、基本的には上記の中のどこかに位置づけられるが、具体的な対策には幾通りもの方法がある。どの要素に重きを置くかは、各医療機関の状況により異なっており、以下の各対策にもバリエーションが存在した。(1) レポートに対する重要フラグの付与、(2) 主治医への通知(レポート作成通知、重要所見通知)、(3) レポートの未読・既読管理、(4) 組織的な監査体制。
システムを活用した対策は、単一の機能追加で実現することは不十分で、新機能追加と、対策用システムの新たな導入などを重層的に構築することが見落としのリスクを軽減することになる。班では、実際に構築するためには、「システム仕様書」の項目として整理することが有用であろうと考えた。必要な機能項目は、医療機関ごとに異なることを想定し、異なる運用をする医療機関が求める機能項目の和集合として、仕様項目を設定し、仕様項目の内容毎に、実装の必要性を4段階で、実現を期待する時期を3段階で表現した。この段階分けは、班会議で合議して決定した。各医療機関では、まず、どのような対策を実施するのかの方針を決め、その対策を実行するために必要な機能を、本機能仕様項目から選択することで、活用していただきたい。
各医療機関で既に実施されている対策は、基本的には上記の中のどこかに位置づけられるが、具体的な対策には幾通りもの方法がある。どの要素に重きを置くかは、各医療機関の状況により異なっており、以下の各対策にもバリエーションが存在した。(1) レポートに対する重要フラグの付与、(2) 主治医への通知(レポート作成通知、重要所見通知)、(3) レポートの未読・既読管理、(4) 組織的な監査体制。
システムを活用した対策は、単一の機能追加で実現することは不十分で、新機能追加と、対策用システムの新たな導入などを重層的に構築することが見落としのリスクを軽減することになる。班では、実際に構築するためには、「システム仕様書」の項目として整理することが有用であろうと考えた。必要な機能項目は、医療機関ごとに異なることを想定し、異なる運用をする医療機関が求める機能項目の和集合として、仕様項目を設定し、仕様項目の内容毎に、実装の必要性を4段階で、実現を期待する時期を3段階で表現した。この段階分けは、班会議で合議して決定した。各医療機関では、まず、どのような対策を実施するのかの方針を決め、その対策を実行するために必要な機能を、本機能仕様項目から選択することで、活用していただきたい。