[2-A-4-02] 医療管理学の視点からみた医療CIO育成の必要性
医療管理学の研究領域は、医療制度、医療経済・病院経営、医療の質と安全、チーム医療など多岐にわたり、医療情報学も医療管理学と広く相重なる学問領域である。医療管理学の立場から医療CIO育成の必要性を論ずるには、これらの視点からの総合的な分析が必要となる。
1999年の特定機能病院での手術患者取り違え事故以降、本邦では医療安全に対する社会意識が高まり、各医療機関での事故報告や安全対策における医療CIOの役割が大きくなった。チーム医療の視点からも、クリニカルパスなどによる医療の見える化をはじめとして、安全・安心の医療を提供するための医療情報システムの課題は多様化し、その運用を預かる医療CIOの果たすべき役割は大きくなった。
2003年には特定機能病院におけるDPC制度(1日当たりの包括評価制度)が開始され、急性期医療がその姿を大きく転換した。入院1日当たりの医療費が診断群分類毎に決まり、標準的な入院期間を超えれば大幅な診療収入減となる新制度では、入院期間の適正化が医療経営の大前提となった。自院の経営状態の把握はそれまで以上に重要となり、経営分析のリーダーとして、医療CIOには大きな負担が課されることとなった。
さらに2013年、日本の医療提供システムは「5疾病5事業および在宅医療」となり、急性期と慢性期の医療が明確に分担・連携される新たな医療連携体制への方向付けがなされた。
このような激動の時代に、はたして医療CIOにはどのような資質が求められるのか。演者は基礎医学研究者、小児科医、腎臓病医から医療管理学研究者への道に進んだ医療者側の医療CIO経験者だが、医療CIOがどうあるべきかについて、今だ確固たる意見を持ち得てはいない。そこで今回は、演者のこれまでのつたない経験を交え、医療管理学の立場からあるべき医療CIO育成の姿を模索したい。
1999年の特定機能病院での手術患者取り違え事故以降、本邦では医療安全に対する社会意識が高まり、各医療機関での事故報告や安全対策における医療CIOの役割が大きくなった。チーム医療の視点からも、クリニカルパスなどによる医療の見える化をはじめとして、安全・安心の医療を提供するための医療情報システムの課題は多様化し、その運用を預かる医療CIOの果たすべき役割は大きくなった。
2003年には特定機能病院におけるDPC制度(1日当たりの包括評価制度)が開始され、急性期医療がその姿を大きく転換した。入院1日当たりの医療費が診断群分類毎に決まり、標準的な入院期間を超えれば大幅な診療収入減となる新制度では、入院期間の適正化が医療経営の大前提となった。自院の経営状態の把握はそれまで以上に重要となり、経営分析のリーダーとして、医療CIOには大きな負担が課されることとなった。
さらに2013年、日本の医療提供システムは「5疾病5事業および在宅医療」となり、急性期と慢性期の医療が明確に分担・連携される新たな医療連携体制への方向付けがなされた。
このような激動の時代に、はたして医療CIOにはどのような資質が求められるのか。演者は基礎医学研究者、小児科医、腎臓病医から医療管理学研究者への道に進んだ医療者側の医療CIO経験者だが、医療CIOがどうあるべきかについて、今だ確固たる意見を持ち得てはいない。そこで今回は、演者のこれまでのつたない経験を交え、医療管理学の立場からあるべき医療CIO育成の姿を模索したい。