一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-1-02] EBM普及推進事業(Minds)の最新トピックスと今後の展望

奥村 晃子1 (1. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)

EBM普及推進事業(Minds)は、2011年度より厚生労働省委託事業として運営されている。質の高い診療ガイドラインの普及を通じて、患者と医療者の意思決定を支援し、医療の質の向上を図ることを目的に、①診療ガイドライン作成支援、②診療ガイドライン評価選定・公開、③診療ガイドライン活用促進、④患者・市民支援を事業の4つの柱としている。診療ガイドラインデータベース「Mindsガイドラインライブラリ(https://minds.jcqhc.or.jp/)」(図1)では、2019年8月現在、238の最新版診療ガイドラインを掲載しており、インターネットを通じて、誰もが無料で診療ガイドラインや一般向けの解説を閲覧できる環境を整備している。
作成された診療ガイドラインは、広く普及し医療現場で患者と医療者の意思決定支援に活用され、その結果として医療の質の向上に寄与することが期待される。そのためにMindsでは、診療ガイドラインの活用促進に関する施策を重点的に行っている。2016年度からは、診療ガイドラインの医療現場での活用事例調査を開始し、今年度は、診療ガイドライン作成グループの中でも、その普及・活用について先駆的な取り組みを行っている担当者が集まる検討会を立ち上げた。各グループが実践してきた診療ガイドラインの普及推進に向けた取り組みを共有しまとめるとともに、診療ガイドラインとQIのあり方、診療ガイドラインの普及や遵守状況等の評価方法について検討を進めている。
今回はこうしたMindsの最新トピックスを紹介し、今後の展望について報告・議論する。

図1.Mindsガイドラインライブラリ トップページ