一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-1-03] 診療ガイドラインと医療の質・QIで目指すData-Driven Health -患者中心性を評価し改善するためのデータセット-

嶋田 元1 (1. 聖路加国際大学 情報システムセンター)

診療ガイドラインと日常診療の格差を数値化する質指標(QI: Quality indicator)は医療の質の改善を行う上で重要なツールとなり多くの医療機関で使用されている。指標化することによりこれまで意識されなかった課題が表出され質改善活動のきっかけとなりうる。

根拠に基づいた診療ガイドラインは、バイアスがコントロールされたランダム化比較試験やシステマティックレビューによる統合評価によって推奨が導かれているが、日常診療のすべての疑問に答えが出ているわけではない。

特に患者の価値観や好みに応じた患者中心性は医療の質を構成する要素の一つであるものの、診療ガイドラインに組み込み推奨を出すことは容易なことではない。
このような患者中心性を評価する患者経験(PX:Patient eXperience)や患者報告アウトカム(PRO:Patient reported outcome)のデータを用いて、医療の質を可視化し改善を行った事例を紹介する。