[2-B-2-02] 糖尿病から見たDKD、その課題
近年の血糖降下療法や降圧治療の進歩により、アルブミン尿の増加を主徴とする古典的糖尿病性腎症(Diabetic Nephropathy:DN)は減少しているが、高齢化などの影響もあってアルブミン尿の増加を呈さないあるいは少ないものの腎機能が低下するタイプの患者は、増加していると考えられており、糖尿病性腎臓病(Diabetic Kidney Disease; DKD)の概念が提唱されている所以である。日本医療情報学会の支援を受けて、日本腎臓学会ではJ-CKD-DB、日本糖尿病学会ではJ-DREAMSという大規模疾患レジストリを構築し、DKDの病態や分類も含めた疾患概念や治療法の確立を目指している。J-DREAMSからは古典的DNの表現形を呈さないDKDの特徴の一端を窺わせるデータが得られつつあるが、病理所見やバイオバンクと連携した疾患バイオマーカーの同定や、有効な治療法の確立についても、3学会が協調して推進する必要があると考えられる.