一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-1-08] SOFAスコアとDPCを活用した集中治療室至適入室期間の予測研究

川﨑 博史1,2、札元 和江2、山本 むつみ2、吉田 拓真3、宇都 由美子1 (1. 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科医療システム情報学 , 2. 鹿児島市立病院看護部, 3. 鹿児島大学大学院理工学研究科数理情報科学)

SOFA, DPC, Intensive Care Unit, Optimal duration

【背景・目的】2018年度の診療報酬改定で特定集中治療室管理料について、SOFAスコアの測定が要件として加わった。
これは集中治療室入室患者の重症度を客観的に評価でき、今後特定集中治療室管理料加算の施設要件や患者アウトカムに使用されることが予測されている。
 先行研究では早期の重症度の改善が集中治療室早期退室に影響していることが明らかになった。また、APACHE-Ⅱ、SOFAスコア、手術患者の外科的アプガースコア等の患者重症度を使用した集中治療室入室期間の予測モデルによって、目標となる入室期間の予測が可能であることを明らかにした。
 今回、特定集中治療室管理料加算の要件として採用され、他施設においても同じルールでデータ収集が開始されたSOFAスコアを使用し、集中治療室入室期間の予測モデルの構築を目的とした。

【方法】集中治療室に入室した救急患者を対象とし、DPC入院期間Ⅱ期までに退院できている患者群を適切な入院期間であった患者群として評価した。その患者群の集中治療室入室時及び、入室翌日のSOFAスコアを使用し、集中治療室入室期間の予測を行った。また、SOFAスコアの内訳である心血管系・呼吸器系・腎臓系・肝臓系・中枢神経系・凝固系の6つのスコアの構成(重み)を加味した予測モデルとの比較を行った。

【結果及び考察】集中治療室入室時及び、入室翌日のSOFAスコアを説明変数として集中治療室入室期間の予測モデルを構築した。また、SOFAスコアの構成(重み)を加味したスコアと予測モデルの分析を行い、同等のSOFAスコアの中でもより影響力の強い要素を解明した。予測モデルの構築によって、SOFAスコアを用いて集中治療室入室期間を予測できるだけでなく、集中治療室退室基準や患者アウトカムの設定の確立が期待できる。