一般社団法人 日本医療情報学会

[2-D-1-02] アレルギー記述の相互運用性

木村 通男1 (1. 浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)

アレルギー情報の運用は、施設ごとにその基準が異なり、効率的で安全な情報伝達に問題が生じている。そこで、今回、退院時サマリのこの項目を定める際に目指したものを解説する。

まず、対象物は日々増加し、コード化はアップデートが困難と思われる。そのため、対象物は自然言語表記とした。ただし、食品の基本対象物はコード化の可能性がある。

また、よく見られる齟齬は、その情報の確度の表現がないことである。これがないことで、「単にそういうことがあった、同時に使った他の物が原因かもしれない」程度のものを、その対象物のみ記載すると、それこそ禁忌に見える可能性があり、医療が狭められる。そこで、「患者・家族の話」か、「医療職が納得」かを表示することを必須とした。

すくなくとも、全体に対し、「あり」「なし」「不明」のどれかは選ばれることとした。

サマリに記載するためには、当然電子カルテの患者基本情報からの流し込みが望まれる。したがってこれらの規定は電子カルテの段階から準拠されることがのぞましい。ただし、自動的に流用されるべきかは議論がある。取捨選択して伝えられることが望ましい。