Japan Association for Medical Informatics

[2-F-1-04] 田辺保健医療圏域 医療と介護の双方向連携EHR基盤構築事業
     -通称『くろしおNET』についてー

初山 昌平1、入江 真行2 (1. くろしおNET協議会, 2. 特定非営利活動法人 和歌山地域医療情報ネットワーク協議会)

Medical collaboration, Emaergency care, Identity verification

医療情報連携基盤(EHR)は、全国各地に約270も存在しているらしいが、様々な理由から活用がほとんど進んでいないのが現状だ。田辺医療圏域は1市4町人口12万の二次医療圏だが、4つのシステムが存在し同様の状態だ。そこで、平成29年度総務省のモデル事業に,一般社団法人 和歌山県介護支援専門員協会が応募、受託し、「くろしおNET協議会」を設立し運営している。
和歌山県には、きのくに医療連携システム「青洲リンク」が5年前より災害用医療情報備蓄システムとして稼働しているが、平常時にその医療情報の一部を患者の同意を得ることでみせていただく。既存のシステムも捨てるのでなく、その上にくろしおNETを存在させ、それぞれのシステムからも情報とりこむ。そして行政からは介護保険認定情報を提供していただいた。
また、田辺市消防本部が加入してくれたことで、救急搬送時の情報収集にも活用でき、受け入れ病院との連携もスムーズにいく。
そして歯科医院からの治療情報(スナップショット)のつみかさねにより身元確認時(認知症の身元確認等)にも有効に活用できる等、その可能性は広がる。
それに、ベンダーが身近なことにより、運用しながらの微調整し、より使いやすいシステムとして進化している。また、和歌山県内の他の圏域にも広げることが可能なシステムとなっている。