Japan Association for Medical Informatics

[2-F-1-07] 地域ネットワークシステムにおける職種別意識調査についての検討

田浦 直太1,2,3、松本 武浩1,2,3、田平 由美2、楠田 千佳2、安野 桃子2、臼井 哲也1、川崎 浩二3 (1. 長崎大学病院 医療情報部, 2. あじさいネット拡充プロジェクト室, 3. 長崎大学病院 総合患者支援部)

ICT network, Questionnaire survey, Difference between occupations

【目的】長崎県の地域ネットワークシステムあじさいネットはあらゆる医療職の参加の元に運用されている。使用目的も職種別に異なっており、職種別のニーズを理解しシステムの更新を行っていく必要性がある。本研究では、あじさいネットユーザに対しアンケートによる意識調査を行い職種間相違、システム更新に伴う各職種の意識変化について検討を行う。

【方法】2018年10月あじさいネットに対する意識調査のためアンケートを行った(設問:①使用頻度、②薬剤確認、③入院経過確認、④診療情報確認、⑤患者へのメリット)。医師156名、薬剤師85名、看護師140名、計351名の回答を元に職種別にあじさいネットに対しする意識の解析をおこなった。更に2014年のアンケート調査と比較しユーザの意識変化についても検討を行った。

【結果】使用頻度について検討したところ医師は、毎回利用するが9%、よく利用するが28%、薬剤師が12%、19%であったのに対し看護師は3%、11%と利用頻度が有意に低かった。さらに薬剤・入院経過・診療情報の確認についても医師・薬剤師と比較し有意に看護師の利用率が低かった。2014年のアンケートの結果と使用頻度について比較したところ、医師の毎回利用もしくはよく利用するが32%より37%(P=<0.001)、薬剤師が61%より30%(P=0.001)、看護師は18%より12%と医師で有意に使用率が上昇するも薬剤師は有意に低下し看護師に有意差をなかった。患者メリット有では、医師が91%より93%、薬剤師が94%より93%、看護師が77%より90%と医師および薬剤師に有意差はなかったが看護師では有意な上昇をみとめた(P=0.004)。

【考察】あじさいネットユーザに対し職種別の利用頻度を検討した結果、看護師が有意に低いも患者に対しての有用性を認めつつあり今後看護機能の拡充を検討する必要性があると考えられた。