Japan Association for Medical Informatics

[2-F-2-05] 病院情報システムの権限設定支援ツールの開発
-詳細情報を俯瞰しながら操作可能なUIの検討-

大佐賀 敦1,2、近藤 克幸1 (1. 秋田大学大学院医学系研究科医療情報学講座, 2. 秋田大学医学部附属病院医療情報部)

Hospital Information System, Authority Management, User Interface

【背景・目的】病院情報システムの操作権限の変更・参照は、機能追加や運用変更、システム監査や立入検査等での権限提示など、システム稼働後も随時必要である。従来の我々の施設の病院情報システムは、「職種」×「機能区分」の表形式で各種権限を参照・設定できたが、「権限なし」から「特権」の5段階表現のため、個別機能の具体的な挙動を把握しづらい限界があった。今回、システム更新により、機能区分の下位階層でより詳細な設定が可能になったが、単純な表形式では権限を表現しきれなくなり、俯瞰的な参照が困難となった。この解決策として、機能区分の下位階層も含めて、職種・機能区分を横断的に俯瞰可能な権限設定ツールを開発した。

【システム概要】本ツールは病院情報システム端末で使用するアプリケーションとして開発した。病院情報システムの権限設定を読み込み、職種×機能区分の表形式で表示・編集する機能を基本に、1)システム上分割されているが、業務上常に同一となる機能区分を1つにまとめる、2)機能区分の下位階層をグループ化し、グループを切り替えて作業することで一度に扱う情報量を軽減する、3)各グループ内の各下位階層の権限を、使用し得る組み合わせに集約する、といった最適化を行った。そして、この組み合わせを表の各セルに記号表示することで、従来と同様の画面で、より詳細な権限を表示・設定できる機能を実現した。

【機能評価】全30職種における処方オーダ(全14種)を例に、通常の職種別権限メンテナンス画面と今回開発したツールとで、扱える情報量を比較した。通常の画面では、縦2画面、横4画面分のスクロールが必要な内容が、今回開発したツールでは縦0.5画面、横スクロールなしで表示され、10倍以上の情報の表現が可能となった。また、スクロールなしで職種間の権限の差異を一度に確認することもでき、本ツールの有用性が確認された。