一般社団法人 日本医療情報学会

[2-I-1-02] 大学病院の薬剤部門で厚生労働省標準規格(HS027)の実装は可能か

和田 良浩1,2、川崎 裕貴1、石田 幸敏2、小林 慎治1、池田 和之1,2、辻 力夫1、玉本 哲郎2,3 (1. 奈良県立医科大学附属病院 薬剤部, 2. 奈良県立医科大学附属病院 医療情報部, 3. 奈良県立医科大学 放射線腫瘍医学講座 )

Standard Conformance, Ordering System, Prescription

【はじめに】当院では、2019年5月の電子カルテシステム更新に伴い厚生労働省標準規格を用いたシステムの構築を推進した。処方オーダにおいても、厚生労働省標準規格として認定されたHS027処方・注射オーダ標準用法規格(以下、標準用法規格)および日本薬剤師会・日本病院薬剤師会により策定された標準用法用語集第2版(以下、用語集)に準じた内服薬・外用薬の用法マスタを構築したので報告する。

【方法】従来の内服薬・外用薬における用法マスタで、標準用法規格に準じているか否かをマッピングし精査した。さらに精査した用法を用語集の用法用語に変更しマスタを作成した。作成した用法に対して対応する標準用法コードを設定した。

【結果】精査した用法は全体で365件であり、その内85.4%(312/365)の用法で標準用法規格および用語集に準じた用法およびコードの設定ができた。院内の処方上必要であった14.5%(53/365)の用法にてコードを設定できなかった。

【考察】当院の従来の用法マスタは、標準用法規格や用語集が策定される以前のマスタであったため、容易に標準化するのは困難であった。今回、電子カルテシステム更新と病院全体の方針により標準規格を実装した用法マスタが構築できた。しかし、従来の用法から代替えできないものは標準用法規格にすることは困難であり、今後の対応が必要と考える。