一般社団法人 日本医療情報学会

[2-I-2] 医師患者関係のトラスト構築に向けたAI活用の可能性

藤田 卓仙1、江間 有沙2 (1. 慶應義塾大学、2. 東京大学)

Artificial Intelligence, Health Communication, Medical Education, Ethics

画像診断補助等、医療における人工知能(AI)活用への期待が高まっている。
AIを用いた機器が現場で使用されるためには、その精度等が医師から見て信頼に足り、また、使用に際しての医師の責任分界点が明確であることが望まれる。たとえば、厚労省からの2018年12月19日の課長通知によれば、現状におけるAIは支援ツールに過ぎず、判断の責任は医師にあるとされている。
医師から見れば、医師からAIへの信頼が制度的にも担保されていれば良いとも言えるが、一方で、本質的には、患者から医師もしくは医療への信頼が担保されるような設計でなければならない。
本ワークショップでは、問診やインフォームド・コンセント等に際しての医師患者間のコミュニケーションを支援するツールとしてのAIが如何に機能しうるかに関し、心理学・医療コミュニケーション等の観点から検討し、医師患者間の信頼関係に資するAIのあり方に関して議論を深めることを目的とする。
座長の藤田・江間は医療AIにおける信頼(トラスト)に関する研究をしており、まず企画趣旨の説明を行う。その後、近藤は医療コミュニケーション学の観点から、藤原は情報工学の観点から、中谷内は心理学の観点から、尾藤は医師の観点から、それぞれに医師患者の信頼構築に向けたAIのあり方に関する報告をそれぞれ行い、最後に会場を含めた全体質疑を行う。