Japan Association for Medical Informatics

[2-J-2-01] 横浜市におけるインフルエンザ施設別発生状況の発生パターンに関する考察

青野 実1、野﨑 直彦1、大久保 一郎1、後藤 寛2 (1. 横浜市衛生研究所, 2. 横浜市立大学大学院)

Influenza, Categorization, NESID, Number of patient reports per fixed point, Peak period

筆者らは、横浜市における2013年シーズンからのインフルエンザ施設別発生状況(以下、学級閉鎖等)の情報について、登録システムを利用して、電子化を図っている。今回、6シーズン分(2013-2019年)のデータを用いて、シーズン毎における患者数や施設数、定点当たりの患者報告数(以下、患者報告数)との関係性を調査した。また、2シーズン(2017-2019年)における発生パターンのカテゴリー化を試みて、若干の知見を得たので報告する。分析方法は、登録システム内のシートを利用して、カテゴリー化のための数値を割り当てた。患者数が発生した週を数値有りとして、ExcelのCOUNT関数で数値化して、未発生については、数値の0を割り当てた。さらに、小数の位を流行初期、1~10の位をピーク期、100の位を終息期として、整数3桁と小数2桁の合計5桁のパターンを整数1~7の値に置き換えて、7つの発生パターンとリンクさせた。7つの発生パターンと数値化は、次のように割り当てた。①流行初期→1②ピーク期→2③終息期→3④流行初期+ピーク期→4⑤ピーク期+終息期→5⑥全期間→6⑦流行初期+終息期(ピーク期を除く)→7。ここでは、ピーク期を最大患者数の週とそれに続く連続した患者数の多い順に4週間と定義した。6シーズンにおけるピーク期の患者数や施設数の推移のグラフ化や2シーズンにおける発生パターンのカテゴリー化を検証した。2シーズンのみのデータではあるが、発生パターンに関連性が推測された。但し、冬期休暇期間にピーク期がある場合や2峰性等を示す流行状況に関しては、今後の課題である。また、2シーズン分のデータのみであるため、さらなるデータの蓄積を図って、今後の研究を進める必要があると考える。