Japan Association for Medical Informatics

[2-P2-1-06] 介護施設入所者病歴に関するグラフマイニング

串間 宗夫1、山﨑 友義1、酒田 拓也1、川野 光一1、松尾 亮輔1、小川 泰右1、荒木 賢二1、近藤 千博2 (1. 宮崎大学医学部附属病院, 2. 宮崎市立田野病院)

Medical Informatics, Graph Mining, Electronic Medical Record

【目的】介護ライフログの二次的利用法の開発が現場の介護職員から強く望まれている。本研究では、S介護老人保健施設入所者の20人について介護ライフログに記入された病歴を解析した。解析により介護施設入所者病歴関係の可視化図を示すことにより、多職種の医療従事者間で共有し活用することによって人材育成教育や医療従事者によって行われる作業等を効率化する手法を明らかにすることによって、実際の介護行為に反映させる。将来的には、要介護度に合わせて利用者の記録を半自動的に作成できる電子カルテの開発を目指す。

【方法】グラフマイニングとしての基礎的な分析および可視化のツールとして、Gephi 0.9.2 を用いた。可視化では Gephi に実装されている ForceAtlas2 というアルゴリズムを用い、重みの高いリンクの距離が短くなるようにノード配置の最適化を行った。

【結果】本研究解析結果として、介護施設入所者病歴関係可視化図を示し、ネットワークの一般統計としては、ノード数 : 90、辺の数 : 89、平均次数: 0.989、平均重み時数: 0.989、ネットワーク直径: 1、グラフ密度: 0.011、モジュラリティ: 0.789 であった。この結果から、入所者一人ひとりに対して、多数の病歴があり、その病歴に対しては、多数の入所者が複数罹患されていた。入所者に多い病歴としては、心不全、不眠症、不眠症、廃用症候群、脳梗塞、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧、となっている。この解析図を通して、感染症発見につながると考えられる。そのためには、データ数を増やす必要がある。

【まとめ】介護福祉施設入所者の病歴を可視化し、その可視化結果について考察し検討した。本研究は、宮崎大学の倫理指針に従っており、本研究の遂行は、宮崎大学倫理審査委員会の承認を得ている。宮崎大学承認番号:第 O-0383 号。